まんすりいコラム

For 京都アニメーション

2019/08/19 — 第366号

京都アニメーションの事件が発生して一ヶ月が経ちます。当館では4月のアニメスタイルオールナイトで京都アニメーション製作の『リズと青い鳥』を上映したばかりでした。高校時代は『らき☆すた』や『CLANNAD』、大学時代は『日常』や『氷菓』に夢中だったので、京アニ作品の上映が決まったときはいつにも増して嬉しかったのを覚えています。■新文芸坐に入って四年が経ち、多くの映画人たちの追悼特集を経験しました。誰かが亡くなるたび悲しみは尽きませんが、今回の事件については、悲しみにも怒りにも気持ちが定まらないまま一ヶ月が過ぎようとしています。■先日、京アニが手掛けたコメディ作品『フルメタル・パニック!ふもっふ』を見返しました。久しぶりだったのもありますが、あまりのおもしろさに腹を抱えて笑いました。そうして笑い転げながら、京アニのアニメがどうしようもなく好きであることを再認識でき、その気持ちが失われていないことに安心しました。■悲しいことは容赦なく襲ってくる。心が折れることも、疲れることもある。それでも、作品が好きな気持ちだけは絶対に失ってなるものか、と強く思うのです。

— 浜本栄紀


北野武アンコールに寄せて

2019/07/29 — 第365号

5月に行われたオールナイト【初期の北野武 35mmフィルムで堪能する不穏と暴力の刹那】はお陰様で満員御礼の完売でした。特に若い方に人気で、8/4(日)にはアンコールとして北野作品が昼の番組で組まれます。今回は『その男、凶暴につき』『キッズ・リターン』『HANA-BI』の三本立て。■ヤクザやチンピラを描きつつもその生態や心情を説明的に描くことはしない北野映画は、前提として若者も入門しやすいのかもしれません。その上「組織の中の個人」や「はみ出し者/アウトサイダー」や「法外での絆」というヤクザ映画的主題は、最近の『万引き家族』や『新聞記者』、この間の吉本騒動など最近の映画やニュースを見る限りでも、古いようでまだまだアクチュアルな主題が個別的には含まれているのだとわかります。■5月と8月の北野武番組の間に挟まれるように、7月には降旗康男監督の追悼特集が組まれ、高倉健らの出演したヤクザ映画もいくつか上映されました。とても名画座らしい偶然。毎日のように来ていただいている方にはミニ日本映画史講座のようなラインナップだったのかなと想像します。特集のトリを飾るのは高倉健と北野武(ビートたけし)が共演した『夜叉』(1985)。健さんが最後のヤクザ役(正確には元ヤクザ役)で、ビートたけしが初めてのヤクザ役で出演した作品で、この時にバトンが渡されたのかなと考えたくなります。『この男、凶暴につき』が公開されるのはこの4年後です。

— 笠原伊織


7/7より「キネマ旬報ベスト・テンからたどる昭和・戦後映画史」

2019/06/28 — 第364号

キネマ旬報は今年、創刊100年を迎えます。創刊は1919年(大正8年)7月11日。ウィキペディアで創刊号の表紙の写真が見られます。マーガリータ・フィッシャーの写真とともに、『私共は活動寫眞が並はずれて好きなのであります』という文章で始まる、「御あいさつ」と題された慎ましく可愛らしい文章が載っています。

日本で最も権威のある映画賞と言っても恐らく間違いはないキネマ旬報ベスト・テンですが、そのスタートはまだ無声映画時代の1924年。カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンの世界三大映画祭は言うに及ばず、アメリカのアカデミー賞創設よりも3年古く、世界最古のクラスの映画賞と言われるゆえんです。

当館では7月7日より、昭和の戦後の日本映画ベスト・ワン作品から20作品を選び上映をします。上映作品は、史上最多の6本のベスト・ワン作品を世に出した小津安二郎監督作品からは『晩春』『麦秋』。25回のベスト・テン入り果たした黒澤明監督作品からは『生きる』『赤ひげ』。5回のベスト・ワン作品を出した今村昌平監督作品から『にっぽん昆虫記』『復讐するは我にあり』など。

7月9日は14時40分より、70年代よりベスト・テン選考委員を務められ「映画を見ればわかること」の連載でもお馴染みの川本三郎さんと、10代目の編集長を務められた植草信和さん、13代目の編集長だった関口裕子さんのお三方のトークショーも開催します。

— 矢田庸一郎


追悼 内田裕也

2019/05/24 — 第363号

「ロケンロール」「シェキナベイベー」の決め台詞で、いつもわたしたちをノックアウトしてくれた内田裕也さんがお亡くなりになられて、早いもので二か月が経ちます●当館では、6月7日より内田裕也さんの追悼上映会を開催させていただきます。実は昨年11月1日より、樹木希林さんの追悼上映会もやらせていただいたばかりでした。●かなり以前のことですが2001年、市川準監督特集を行った際、樹木希林さんにトークショーをしていただきました。また2005年の若松孝二監督特集の際には、内田裕也さんにもトークをしていただきました。市川準監督、若松孝二監督、そして樹木希林さん、内田裕也さん、みなさんが旅立たれてしまっているという時がくることなど、言うまでもないことですが、当時は想像だにしていませんでした。●奇しくも6月9日(ロックの日)に内田裕也さんのご本がキネマ旬報社より刊行になります。本来なら刊行記念上映会として、内田裕也さんの二回目のトークショーをしていただきたかったのですが、叶わぬ夢となってしまいました。●今回の上映会は内田裕也オフィスさんのご尽力で、崔洋一監督、滝田洋二郎監督、『水のないプール』などで共演をされたアーティストの未唯mieさん、ミュージシャンの近田春夫さん、作家のモブ・ノリオさんという多才なゲストをお招きしてトークショーを行います。また内田裕也さんの大変貴重で感動的な秘蔵映像も、トークショーの中で上映できることになりました。映画ファンの皆様、今一度、内田裕也さんの「ロケンロール魂」を胸に焼き付けてください。

— 矢田庸一郎


「しねまんすりい」リニューアル

2019/04/25 — 第362号

旧文芸坐時代に発行されていた「ぶんげいしねういーくりい」。その名を引き継ぎ2000年12月より新文芸坐「しねういーくりい」として発行がスタートし、2008年8月より現在の形の月刊「しねまんすりい」として発行を続けてまいりました本スケジュール表も今号で通巻362号を迎えました。皆さまの日頃のご愛読に感謝申し上げます。

新元号に変わった5月より「しねまんすりい」をリニューアルしました。これまで上映スケジュールは「しねまんすりい」、番組の詳細は個々の特集チラシをご参照いただいてきたかと思いますが、これを見開き6ページの新「まんすりい」に統合しました。昼の2本立てにオールナイト、レイトやモーニングに特別上映となかなか複雑な当館の上映スケジュールもこれでより把握し易くなったはず。新「まんすりい」をどうぞよろしくお願い致します。

— 後藤佑輔


「2018年 新文芸坐ベストテン」決定!

2019/03/31 — 第361号

当館のお客様に投票いただいた昨年のベストテンを発表します。ご参加いただいた方、ありがとうございました。今後の編成の参考にさせていただきます。

また、今月の特集上映<気になる日本映画達2018>では、日本映画部門ベストテンのうち4作品を上映します。(10位「若おかみ〜」はオールナイトで上映します)

どうぞスクリーンでお楽しみください。

【日本映画部門】

1位 万引き家族(251pt)
2位 カメラを止めるな!(244pt)
3位 寝ても覚めても(168pt)
4位 孤狼の血(165pt)
5位 菊とギロチン(132pt)
6位 止められるか、俺たちを(103pt)
7位 鈴木家の嘘(97pt)
8位 愛しのアイリーン(90pt)
8位 日日是好日(90pt)
10位 きみの鳥はうたえる(66pt)
10位 若おかみは小学生!(66pt)

【外国映画部門】

1位 スリー・ビルボード(280pt)
2位 ボヘミアン・ラプソディ(202pt)
3位 タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜(152pt)
4位 シェイプ・オブ・ウォーター(116pt)
5位 ウインド・リバー(111pt)
6位 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(104pt)
7位 1987、ある闘いの真実(103pt)
8位 ミッション:インポッシブル/フォールアウト(97pt)
9位 判決、ふたつの希望(95pt)
10位 グレイテスト・ショーマン(93pt)

(有効投票数69票)

— スタッフ


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2019/05/24
追悼 内田裕也
2019/04/25
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2019/03/31
「2018年 新文芸坐ベストテン」決定!

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