昭和32年へタイムスリップ!

2007/11/16 — 第176号

新文芸坐を傘下に置く(株)マルハンの創業は、現会長の韓昌祐(ハン チャンウ)が京都府の丹後地方の峰山町で、クラシック音楽を聴かせる名曲喫茶《るーちぇ》を始めた1957年5月である。峰山町は、古い城下町で格式が高く、教養人が多い町であり、“丹後ちりめん”の生産地であったので、買い付けにくる商社マン、問屋の旦那衆で賑わっていたという。■当時、うどん一杯20円、ラーメン30円、ロードショー、封切り館の入場料金は150円、場末の名画座は三本立て50円の時代に、《るーちぇ》ではコーヒー一杯60円の値段でも大繁盛したという。■今年、創業50周年を迎えた(株)マルハンは、資本金100億円、3月の決算では全国にパチンコ店219店舗、ボウリング場、新文芸坐などレジャー施設14店舗を経営し、従業員8,428名、売り上げ1兆8149億円、海外に事業を展開するまでに発展する大企業になった。■昭和32年当時は、神武景気と言われていた時代で、映画界はモノクロからカラーへ、スタンダードからシネマスコープの大型画面へと、技術革新も目覚しく“娯楽の王様”として君臨していた。翌年には、映画史上最高の11億2700万人を動員した。■昭和32年に公開された日本映画は、キネ旬№1『米』、興行成績№1『明治天皇と日露大戦争』の他に『喜びも悲しみも幾年月』『幕末太陽伝』『蜘蛛巣城』『雪国』『東京暮色』『あらくれ』など評価の高い、次世代に伝えていくべき名作、傑作が多い。■マルハン創業50周年、新文芸坐7周年記念は、当時公開された作品で上映可能な作品を映画評論家・寺脇研さんの監修により、ゲストを招いての特集番組を企画した。21世紀の現在でも見応えのある50年前の作品を是非ご覧ください。

— 永田稔