名画座の、とある2本立て

2007/12/01 — 第177号

見逃していた『ロッキー・ザ・ファイナル』を当館で見た。評判に違わず、いやぁ〜泣けました。■私の友人に映画を年に400本以上見る猛者がいる。彼はロードショーで見ていて、今年のベスト5の1本と言っていた。いくらなんでもと、そのときは思ったが、見たら納得だった。■私の持論に“本当にいい映画は、もうストーリーはあまり重要でない”というのがある。この映画がいい例だ。かつてのチャンプも年老いて、最愛の妻にも先立たれ、虚ろな日々。しかしNEVER GIVE UP、人生を諦めるなと再びリングに……。ありきたりのベタな話。だが大筋と関係ない細部に、機知とユーモアをまぶしたちょっとした出来事、セリフの数々。これが妙に心地よい。シーンの連携も無駄がない。映画が転がるように進んでいく。“分かりやすいイイ話”がクサくならずストレートに胸に迫る。■映画の冒頭、ロッキーを侮辱する若者たちが出てくる。そしてラスト近く、ロッキーの試合を大勢が声援を上げながらテレビ観戦する酒場のシーン。カメラはその中に、息をのむようにしてテレビ画面に食い入る若者の姿を捉える。ロッキーを侮辱したあの若者たちだった……。このようなシーンがさりげなく挿入され、ラストの感動は一層鮮やかに浮かび上がる。■併映は『ダイ・ハード4.0』。『ロッキー〜』ほどではないけれど出来は悪くない。ある映画会社の男性が見に来て「凄いイイ2本立てですね!」言ってくれた。“ロートルおやじが体をはって頑張る”という2本立てのココロにも感心してくれたようだ。■ところでだが『ロッキー〜』にはパソコンは勿論、携帯電話すら登場しないんだゾ!
PS.来年はスタローン監督・主演の『ランボー4』がいよいよ公開です。

— 矢田庸一郎