底抜けおじさん

2020/07/07

私の尊敬する人が亡くなられた。「志村けん」さんです。志村けんは『8時だよ全員集合』で国民的人気を博し、日本のお笑い界を牽引する一人でした。私もお笑いが大好きなので志村けんのコントDVDを借りて何度も見ました。そんな彼が生前、自分の笑いの起源はジェリー・ルイスだと語っていました。

「ジェリー・ルイス」は底抜けシリーズで有名な60年代を代表するコメディアン/コメディ俳優です。46年に歌手のディーン・マーティンと底抜けコンビというコメディグループを結成し、「ディーン&ルイス」と呼ばれパワフルかつ突発的なパフォーマンスで観客を魅了しました。そんな世界が誇るコメディアンと日本が誇るコメディアン。私はその両方を観ることで改めて志村けんはルイスの影響を受けていると感じたので、二人の似ているところ書きたいと思います。

志村けんと言えば大袈裟な表情が印象的です。バカ殿やドリフ、特に指揮者のコントでは声を一切発さず表情だけで笑いを取っています。同じくルイスも大袈裟な表情と皮肉な表現がうりです。お互い喜怒哀楽+αの表情を使い分けることで完璧な間抜けを演じているのだと思います。

次の共通点はアドリブに対するこだわりです。志村けんはアドリブの応酬と言われるほど舞台上のアドリブで生まれた笑いが大切だと語っていました。ルイスも自身のコントの際、台本には余白が非常に多く、アドリブの笑いを多く使っていました。ルイスの相方のマーティンはその余白の多い台本のことを「青写真」だと語っています。お二人の共通点はまだまだ感じたのですが、文字制限があるので今回はこのくらいで。

最後に、私の父親が「俺らの世代は志村の子」と言っていました。そうなると私は「志村の孫の世代」になります。ジェリー・ルイスが志村けんに影響を与えたように、志村けんに影響を受けた者が次の世代に繋いでいくのです。志村けんさん多くの笑いと感動をありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。

— 小池桔平


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