『アラビアのロレンス』ふたゝび……

2009/10/01 — 第206号

『戦場にかける橋』の成功後、監督のデヴィッド・リーンとプロデューサーのサム・スピーゲルは、さらに壮大なスケールのドラマを映画にするべく主人公として選んだのが、トマス・エドワード・ロレンス。第一次大戦中、ドイツに通じるオスマン・トルコの圧政下にあったアラブの反乱を支援した、実在の人物である。イギリス人でありながら、たった独りでアラブ人の中に身を置き、ゲリラ戦を指揮した“伝説の”英雄なのだが……。■見どころは何といっても、その映像美。スコープ画面いっぱいに広がる砂漠に圧倒され、そして魅せられてしまう。もちろん、ミニチュアやCGなどは一切無し。まさに「映画とはこれだ」といわんばかりの名作中の名作。■さて、『アラビアのロレンス 完全版』。当館では、2003年に上映していますが、完全版の日本公開時(1995年)にプリントされたフィルムでの上映でした。今回は、監督の生誕100周年記念と銘打って、昨年末にリバイバル上映されるのを機に、ニュー・プリント版となりました。未見の方はもちろんですが、劇場で観たことのある方も、今一度スクリーンで御堪能ください(スペシャルデイズにつき友の会入場ポイント2倍!)。■最後に、今年3月29日に、音楽を担当したモーリス・ジャールが亡くなりました(享年84)。昨年11月の大阪ヨーロッパ映画祭で名誉委員長としてに来日し、会見で製作エピソードなどを語ったばかりでした。アカデミー賞にも輝いたメロディーも忘れられません。

— 矢田庸一郎