2010(平成22)年全国映画概要

2011/03/16 — 第227号

昨年の全国映画概況を日本映画製作者連盟が発表しました。入場者は前年より3%UPの1億7436万人でしたが、最盛期の58(昭和33)年の動員数11億人と比べると16%にしか過ぎません。しかし、売上は2207億円で、前年比7%UPの史上最高を記録しました。公開された作品数は、昨年より46本減の716本で、邦画408本、洋画308本で構成比は邦画57対洋画43の邦高洋低でした。■昨年の興行収入(興収)が10億円以上売り上げた作品は48本ですが、邦画が29本、洋画19本の内訳で、こちらも邦高洋低でした。邦画の興収上位の80%以上は、アニメ、TV人気番組、コミックの劇場版で、所謂、劇映画は『告白』『悪人』『大奥』『おとうと』『十三人の刺客』くらいでした。興収上位の全ての作品は、TV局、出版社、新聞社などのマスメデアによる大量宣伝効果による動員でした。■スクリーン数は、昨年より53スクリーン増えて3412になり、その内シネコンが81%を占めていました。都内の繁華街にあった大きな映画館は、新宿ミラノ座を残すだけになってしまい、場末にあった名画座と呼ばれる映画館もなくなり、個性的な特徴のある映画館は消えてしまいました。そして、宣伝費の少ない単館のロードショー劇場が、廃業するようになったのも昨年の特筆すべき出来事でした。行きなれた思い出の映画館で、多くの観客と一斉に笑い、涙する。その一体感こそが映画館で映画を観る妙味でした。これからの映画ファンは、親しんだ記憶に残る映画館を持つことができるのだろうか。

— 永田稔