11/29より、豪腕ノーランvsお茶目なバートン特集

2012/11/16 — 第267号

ノーランさんから。●【バットマン ビギンズ】アメコミの世界に悪とは何か、正義とは何か、という深遠なテーマを持ち込んだ傑作シリーズの第1作だ。「ダークナイト」から見始めた人は、「ビギンズ」から今一度コンプリートして魂をうち振るわせてほしい!●【インセプション】大企業の息子の意識に潜り込んでその企業を潰す話と、主人公の死んだ妻との記憶のエピソードが絡み合い、ほとんど説明不可能。圧倒的な映像の力でぐいぐい引っ張り、最後には、現実とは、愛とは、と、見る者の胸を掻き乱す。傑作である!●【ダークナイト&〜ライジング】08年とは「ダークナイト」が公開された年であると映画ファンの魂に刻印した偉大なる映画。街を制圧する黒い意志の、その驚異のスピード感と力技に恍惚となる。見終わった後の疲労感が快感だった。合掌ヒース・レジャー。■さて次は深遠さとは程遠いバートンさん。●【マーズ・アタック!】火星人襲来モノだが造形がいかにもでカワイイ、最高にお馬鹿な映画。火星人が、友好使節と勘違いした人間達を光線銃でバンバン撃ち殺すところで、何故か微笑んでしまうのが不思議。同じことをノーランがやったらイヤ〜な世界になります。●【コープスブライド】目玉が落ちてウジが湧いている、そう、あなたはゾンビの花嫁。アニメとはいえ、このグロさがバートンの手にかかるとカワイイ。相棒ジョニデが声の出演。●【チャーリーとチョコレート工場】最近政界では暴走気味の方がいるみたいですが、この映画でバートンは暴走します。子供たちが謎のチョコレート工場に招待されて……という話だが、極彩色の映像世界とブラックなユーモア、白塗りオカッパ頭の経営者(ジョニデ)、キモチ悪いウンパルンパたちの不思議な歌と踊りなどなどに、拒否反応を起こす人も多いようだが、私は大好き!●【ダーク・シャドウ】テイストは愛と復讐のヴァンパイア(←ここでも白塗りジョニデ)ものなのに、バートンが仕上げるとコメディになってしまいます。「スウィーニー・トッド」的な惨劇にするかキモカワイイ路線にするかバートンも逡巡したのかも。でも、そこがいいんですよ!

— 矢田庸一郎