8月は、映画を通して戦争や軍隊を考える特集を

2014/07/24 — 第305号

旧文芸坐では1978年から毎年「社会を告発する」という特集を行ってきました。2000年にオープンした新文芸坐もこの精神を受け継ぎ、毎年8月15日の“終戦の日”前後に、反戦映画や冤罪映画などの社会派映画を上映しています。今年は二部構成でお送りします。●1945年8月6日午前8時15分、広島に原爆が投下されました。この8月6日に、2012年から「新藤兼人平和映画祭」という催しが東京・日比谷にて開催されてきました。実行委員長は1988年生まれの若い女性、御手洗志帆さん。新藤兼人監督と同じ広島出身で、新藤監督を敬愛する彼女は、仕事の傍らほとんど独力でこの映画祭を運営してきました。●彼女の意気に賛同して、この映画祭を、今年は当館で行うことにしました。彼女の熱い思いは様々な方面に波及し、ジャーナリストの鳥越俊太郎さん、歌手の加藤登紀子さん、映画監督で作家の森達也さん、共同通信編集委員・立花珠樹さんらが、シンポジウムに参加してくれることになりました。●第2部の恒例の「8.15終戦の日によせて 反戦・社会派映画特集」は8月10日から。●昨今、集団的自衛権の問題など、安全保障や、この国のあり方について様々な議論が巻き起こっています。しかしまず大事なことは、わたしたちが歩んできた歴史を決して風化させてはならないことです。偉大なる映画文化を築き上げた日本の映画人たちは、多くの戦争や軍隊についての作品も遺しました。彼らは決して空想や観念だけで映画を作ったのではありません。多くの映画人が実際に戦争を体験し、それをもとに脚本を書き衣装を考えセットを作り、映画を撮ったのです。●映画を通して日本の歴史を振り返り、戦争の悲惨や軍隊の真実を考えたい、という思いを込めて、今年はラインナップしました。

— 矢田庸一郎