映画館は生き残れるか

2014/09/24 — 第307号

先日、ネットニュースを見ていると「映画館は生き残る」という気になるタイトルの記事を見つけました。これはウォール・ストリート・ジャーナルの125年特集記事の一つとしてクリストファー・ノーラン監督によって書かれたもので、“映画の現状と未来”について簡潔に考察されています。■この中で特に気になったのは、「未来の映画館は、かつてないほど大きく美しいものになるだろう。」「(皮肉にもフィルム映画のように)自宅では利用したり再生したりできない高額なフォーマットを導入するだろう。」という部分です。映画が映画館だけのものでなくなって以来、映画館の役割は年々小さくなっているように思います。ですが、ノーランは「“時や現実の世界を超えて物語の体験を共有できる”という、映画の力強い基礎がやがて浮かび上がる。」と延べており、そのためには映画館はより大きく、より美しくなければならないとしています。■実際、ノーランの『ダークナイト』や『ダークナイト ライジング』の一部のシーンは、現行のデジタル上映の規格である“2K”や、2020年の東京オリンピックまでには一般にも普及すると言われる“4K”(約800万画素:見た目上35mmフィルムに匹敵する解像度)を大きく引き離す、8〜15Kの解像度を持つと言われる65mm/70mmの“IMAXフィルム”で撮影され、あの革新的な映像を生み出し、映画館に観客を呼び戻しています。■しかし、IMAXはフィルムを使ったハイコストな規格です。デジタルの世界でもIMAXに匹敵するようなクオリティで、よりローコストな規格が生まれれば、やがて普及するでしょう。そして、それを駆使する新たな映画作家達がノーラン同様、革新的な作品を生み出すことで“映画館は生き残って”いけるはずです。

— 後藤佑輔