予告編と本編は別物「マスター・アンド・コマンダー」

2004/05/16 — 第92号

■長いこと映画を観ている方なら「予告編に騙された」と思ったことが少なからずあると思います。画的に面白い部分を予告編ですべて見せてしまい、本編よりも予告編のほうが面白かったということがよくあります。また予告編のウリと本編の内容が全然違う場合もあります。ラブ・コメだと思い込んで観たらサスペンス映画だったり、家族の絆を描いたホームドラマかと思ったら犯罪アクション映画だったとか。■「マスター・アンド・コマンダー」も然り。予告編では戦争の悲惨さや戦場に駆り出された可哀想な少年たちを描いた湿っぽいストーリーのように思えますが、本編は全く別物。パトリック・オブライアンの原作を名匠ピーター・ウィアーが映画化した真面目で骨太な海洋アクションです。■1805年、大西洋。仏国の私掠船による海賊行為(もちろん皇帝のお墨付)に悩まされる英国が、自国の艦船を守るべくこの私掠船の拿捕をひとりの軍人に託す。彼こそが、不敗神話を誇る伝説的な名艦長ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)! 物語はフィクションですが、この年に仏=西連合艦隊を撃破し戦死した英雄ネルソン提督の指揮下にいたことのある歴戦の勇士という設定がイイじゃないですか。■物語はオーブリー率いる英国戦艦と仏国私掠船の一騎打ち、この一点につきますが、登場人物も魅力的でとくにポール・ベタニー演じる軍医が良い! この役者「ビューティフル・マインド」ではラッセル・クロウのルームメイト(!)でしたね。少年士官候補生? 予告編では重要そうでしたが……。

— 関口芳雄


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