まんすりいコラム

名女優・高峰秀子逝く

2011/02/01 — 第224号

昨年の紅白も40%を超える高視聴率だったそうだが、その一方で女優・高峰秀子の訃報が流れた。享年86歳。亡くなったのは12月28日だが、マスコミで第一報が流れたのは大晦日の夜の事であった。◆その訃報を知らせるニュースでは「『二十四の瞳』の先生役などで知られる名女優が亡くなった」と報道されていた。高峰秀子といえば『二十四の瞳』の大石先生という方も多いのではないだろうか。◆1月4日の天声人語でもこの大石先生役についてのエピソードが紹介されていた。それは、「封切り後、本職の教師から多くの手紙が届いた。悩みを吐露し教えを乞う文面に、途方に暮れるばかりだった」というもので、役とのギャップに悩む事もあったそうだが、このコラムでは「間で人知れず格闘する誠実さは、隠し味のような魅力でもあったろう」と結ばれていた。◆その誠実さという魅力は、半生を綴った自伝『わたしの渡世日記』を読むとよく分かる。独特の観察力で書かれた文章は、気取らずあっけらかんとしていて誠実さが滲み出ているのだ。未読の方はぜひこの機会に読んでみて欲しい。◆なお、当館では3月に高峰秀子の追悼特集を上映予定である。訃報が流れたのがお正月の時期だったこともあり、追悼番組などは放送されず寂しい思いをした人も多いと思うので、この上映で盛大に送りたいものである。

— 後藤佑輔


リュミエールの立体映画

2011/01/16 — 第223号

昨年フィルムセンターの「講演と上映 3D映画の歴史」に行きました。メリエスからヒッチコック、ソフトポルノまで実に多種多様な3D映画が上映されました。全てデジタル上映でしたが、3Dの方式は百花繚乱、フィルム一コマを縦に分割して両目二つ分の映像を収めるなど、オリジナルのフィルムで上映しようとすると、ひとつの方式につきそれぞれ専用の映写機を用意しなければならず、デジタル上映のメリットがおおいに発揮された上映会でした。●1935年にはリュミエールも3D映画を開発し、撮影された題材の中にはお馴染みの「列車の到着」もありました。まさか3D版「列車の到着」が見られるとは思わず、狂喜乱舞という感じでしたが、2D版との一番の違いはホームを歩いている御婦人方が、「やたらとカメラの方を見る」ということでした(ご婦人方はエキストラではなくたまたま居合わせたと思われます)。すでにこの当時には映画の撮影というものが一般の人にも認知され「カメラの存在がすごく気になる」ということなのでしょう。みんなジロジロとカメラの方を向き、しかも2D版より尺が長いため見ていて段々可笑しくなってしまいました。●肝心のリュミエール作品の「3D感」ですが、題材・作風としては2Dとの違いはあまりなく、カメラに向かって何かが飛んでくるという事はありませんでした。彼ら以外の作品の中には立体感を強調しすぎているものもありましたが、リュミエール作品の立体感は繊細かつ絶妙で空気感すら感じられました。これが機材の違いによるものなのか、被写体の選定や位置等の撮影技術によるのなのかは判りませんが、立体感についての繊細な比較が可能だということが分かっただけでも今回収穫がありました。

— 梅原浩二


あけましておめでとうございます

2011/01/01 — 第222号

旧年中は、ご愛顧いただき心より御礼申し上げます。

本年も、〈感動はスクリーンから〉をモットーに、皆様が映画を通して感動、興奮するような、心豊かになる番組を提供していきたいと考えております。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

2011年1月1日

新文芸坐
矢田庸一郎 関口芳雄 永田稔
梅原浩二 花俟良王 後藤佑輔 菊地壮馬 稲泉広平 柳原弘
佐野久仁子 高橋悦子 釘宮あかね 大内奈々子

— スタッフ一同


映画ファンの皆様、本当にありがとうございます!!

2010/12/16 — 第221号

お陰さまで新文芸坐は今年10周年を迎えました。映画ファンの皆様には本当に熱く御礼を申し上げます。●新文芸坐の開館は2000年12月12日。オープニング特集は「戦後日本映画—時代が選んだ86本」と題して、キネマ旬報ベストテンの上位の作品や、また各年のヒット作品、総数86作品を日替わりで上映しました。12日のオープニング上映作品は昭和29年(1954年)のキネマ旬報第3位『七人の侍』。ちなみにその年は木下恵介が『二十四の瞳』『女の園』で1位2位を独占しました。●今年、10月に「2000年〜2009年の映画の中からもう一度観たい映画」をお客様に投票してもらいました。その結果の上位の作品を開館記念日の12日より特集上映いたします。初日は第12位の「愛のむきだし」を上映し園子温監督のトークショーを行います。そして見事第1位に輝いたのは内田けんじ監督『運命じゃない人』! この作品は14日に上映し勿論、内田けんじ監督のトークショーも開催します。●10年といっても一つの通過点に過ぎません。そして今、映画を取り巻く環境は決して順風とは言い難いと思います。一握りの大作映画のヒット作品だけが話題となり、大多数の中小の映画会社や映画館は非常に厳しい状態で営業を続けていると思います。またデジタル技術の進化に押され、フィルム上映の美しさや、その価値がどんどん忘れられつつあります。10年後には『七人の侍』はデジタル上映でしか見られないという状況が本当に来るかもしれません。●そのような中にあっても新文芸坐はこれからも日々、映画ファンの皆様に支持される映画館作りに励む所存です。●映画ファンの愛、そして映画への愛。これが新文芸坐のこれからの10年の基本精神であり、判断基準です。●今号より「しねまんすりい」は月二回発行とします。以前に較べて、より早く皆様に上映情報をお届けすることができるようになります。どうぞ、ご期待ください。

— 矢田庸一郎


"00年代"もう一度スクリーンで観たい映画はこれだ! 結果発表

2010/12/01 — 第220号

12/12(日)〜17(金)で上映いたします「"00年代"もう一度スクリーンで観たい映画はこれだ!」の投票結果を発表いたします。

1位 「運命じゃない人」 35票
2位 「たそがれ清兵衛」 33票
3位 「ダークナイト」 31票
4位 「グラン・トリノ」 28票
5位 「マルホランド・ドライブ」 24票

以下は、6位「ノーカントリー」「犬猫」、8位「殺人の追憶」「百年恋歌」「ナビィの恋」「青の稲妻」、12位「愛のむきだし」「ラスト サムライ」「戦場のピアニスト」、15位「ミリオンダラー・ベイビー」「フォーン・ブース」「パッチギ!」「"アイデンティティ"」「下妻物語」、20位「善き人のためのソナタ」「剱岳 点の記」「沈まぬ太陽」…と続きます。この中の太字の作品を上映いたします。「運命じゃない人」の内田けんじ監督、「愛のむきだし」の園子温監督のトークもございますのでお楽しみに。

当初は14作品を上映する予定でしたが、本数が少なくなったことをお詫び申し上げます。また、順位の高い作品でも、少人数による大量票だけの作品は上映リストから外させていただきました。何卒ご容赦ください。ただし1票は1票として、上位20位までを発表させていただきました。

また好きな監督・男優・女優は、それぞれ黒澤明市川雷蔵(圧勝)、高峰秀子でした。皆様、予想は当たりましたか? 全710票の中で、この3人の名前を1枚の投票用紙に書かれた方は、何と1名様のみ! 2人だけ的中された投票は42票ありましたので抽選になりますが、合計10名様に12月中有効のご招待券をプレゼントいたします。皆様、ご投票ありがとうございました。

— スタッフ


10周年企画のご案内と前売1回券廃止のお知らせ

2010/11/01 — 第219号

新文芸坐は今年の12月に、10周年を迎えます。これを記念して、今年もお客様からの投票をもとにした上映を企画しています。今年は当館10周年ということで、オープンした2000年から2009年までに公開された映画を対象にリクエストを募集しています。洋画・邦画は問いません。なお締め切りは、当初10月20日を予定していましたが、少し延長して10月24日締め切りといたします。集計の結果、人気上位の作品から14本をセレクトして上映いたしますのでご期待下さい。また監督と俳優の人気投票とその予想も募っています。1位人気を的中させると12月の本特集中有効のご招待券をプレゼントいたしますので、ふるってご投票・ご応募ください。

もうひとつお知らせです。当館では上映番組の前売券を必ず販売してまいりましたが、今年の12月の上映番組からは基本的に前売券1回券を廃止いたします。前売券(1回券)をご利用になるお客様の数が少ないことと、サービスを分かりやすくすることがおもな理由です。ただし特集上映の回数券と、オールナイト・落語会の前売券は利用頻度が高いので、今後も存続いたします。今まで前売券(1回券)をご利用いただいたお客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承ください。今後は新文芸坐友の会にご入会すると、とてもお得です。詳細は劇場スタッフにお問合せください。

— スタッフ


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