新文芸坐

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STAFF COLUMN スタッフコラム

2021.12.25

改装のため休館いたします

既にご案内をさせていただきましたが、改装のため2カ月間休館します。日々の映画鑑賞を楽しみにされている方には申し訳ございません。■「文芸坐」を引継ぎ「新文芸坐」がオープンしたのは2000年12月。色々なことが起こり、色々なことを教わったこの場所が変わるのは少し寂しい気持ちもあります。20年を短いととるか、長いととるかは人それぞれですが、確実に時代は変化しました。配信サービスによる生活習慣の変化は覚悟していたものの、それはコロナ禍で思いがけない速さで押し寄せてきました。個人で娯楽を楽しむ時代。コストパフォーマンスを求める時代。2本立ての概念を知る人は減り、動員も減り続けています。設備の老朽化も進み、商業施設として「やめるか」「進むか」の選択肢が提示された時、新文芸坐は新しい時代の名画座として「進む」ことを選びました。■大きな変化としては映写設備が一新されます。詳細は追ってお知らせしますが、名画座としてはかなり攻めた仕様となります。今まで親しまれた新文芸坐の「音」が変わるのは正直不安もありますが、現行システムはそろそろ限界です。時間をかけてものにしていくつもりです。■その他、ロビーレイアウトや入場方法、チケットの購入方法、映画以外のプログラムなど、時代に即した変化を行なって参ります。最初は戸惑われる方もいらっしゃるかと思いますが、皆さまが快適に過ごしていただくため、そして次の20年も名画座の灯を消さないために挑戦をしていく所存です。■と、色々書きましたが、実は劇場内の見た目はそんなに変わりません。スクリーンの分割もしませんし、椅子もまだまだ使えるのでクリーニングだけです。「シン・新文芸坐」に改名もしません。まずは休館までの僅かな日々、皆さまが愛してくれた画と音を心に刻んでいただければ幸いです。

— 花俟良王