「スーパーマン」俳優の代表作
2004/11/16 — 第104号
図らずも、この2日間で観た3本の映画はすべて劇作家が主人公でした。■まずは三谷幸喜の舞台劇を映画化したコメディ「笑の大学」。三谷さんといえば自身もいうように“群像劇”が得意なのですが、「笑の大学」は劇作家と検閲官、たった2人の室内劇。大雑把にいえば「12人の優しい日本人」を1/6に煎じ詰めたような作品です。あ、大雑把過ぎましたか。で、これがかなり面白い。笑って泣けて大満足でした。昭和15年という時代設定が影を落とす、切ないラストがまたよいのです。■次にスリラー「デストラップ・死の罠」。以前にスクリーンで観たものをビデオで見直したのですが、名匠シドニー・ルメットの演出のもと、マイケル・ケインとクリストファー・リーヴが火花散る演技対決をみせています。とくに若き劇作家を演じたC・リーヴの演技は、感情の昂りと同時に血圧の上昇までが伝わってくるようで、うまい俳優だったんだなと……、彼の演技がもう見られないことが本当に残念です。■最後は、これまたC・リーヴ主演、劇作家と舞台女優の時を超えたSF悲恋物語「ある日どこかで」。これもビデオで再見。タイムスリップものの白眉といわれるこの映画をC・リーヴの代表作とこの私が断言しておきましょう! 私、旧文芸坐で2度観て2度泣きましたが、20年後に観るこの映画のラストシーン、ストップモーションで微笑む彼の端正な微笑みに、過去2回とは違う意味の涙を禁じえないのです。クリストファー・リーヴ、2004年10月10日心臓発作にて死去。享年52歳。
— 関口芳雄
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