「原爆で戦争終結、しょうがない」発言に思う

2007/08/01 — 第169号

「しょうがない」という言葉は日常茶飯事に使われているが、久間前大臣が講演会で話した「原爆を落とされて無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったのだという頭の整理で今、しょうがないと思っている」という発言は、世界唯一の被爆国である国民を怒らせた。▲無差別に多くの市民を殺害した原爆投下を「しょうがない」という表現で“必要悪”として容認することは出来ない。原爆は、自然現象で空から雨が降ってくるのとは違い、人間が研究、開発、製造して、目的を持って使用したのである。▲核兵器廃絶を世界に発信する最も説得力を持つ被爆国の大臣が、無差別の大量殺害の原爆投下を「しょうがない」という言葉で整理してしまう無神経さに呆れてしまうし、安倍総理も注意だけで、世論を沈静化しようとした問題認識の低さにも唖然とする。▲太平洋戦争に敗戦した日本国民にとって、戦争と核兵器は“絶対悪”である。平和という名目の下でも、国益という名目の下でも、国民のためという名目でも、如何なる状況であっても“必要悪”の選択肢はない。▲当館では毎年終戦の日に因み、戦争の時代を背景にして“生”“死”“愛”“友情”“家族”“国家”“運命”“軍隊”など戦争という異常な状況の下での様々な人間ドラマを描いた名作、傑作、秀作を上映して、映画を通して戦争を語り継ぐ企画上映をしている。▲映画を楽しみながら、映画と史実が次世代へ受け継がれて欲しいと願っている。今年は、先頃亡くなった社会派の巨匠・熊井啓監督の追悼上映と合わせて8/4から3週間毎日替りで特集上映する。今の日本の政治、社会状況を考えるキッカケになればと思う。

— 永田稔


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