吹き替えについて思うこと

2007/09/01 — 第171号

ハリウッド映画に限っていえば、映画館でも日本語吹替版という選択肢が普通にある時代になりました。若い世代には「字幕は面倒」などと臆面もなくいう連中もいるとか……。昨今の日本映画の好調ぶりの要因のひとつに、この字幕嫌いというものが寄与しているとするならば随分とお寒い話です。■9/15(土)のオールナイトは「最新アニメ ベストセレクション」と題した4本立ですが、この中の3本は主役級がいわゆるプロの声優ではなく、普通の俳優や新人です。唯一「パプリカ」のみ、アニメ界の中堅・ベテラン声優陣に加え、外画アテレコ業界の実力者をを配しています。豪華声優陣といっても良いでしょう。堀勝之祐といえば野沢那智に次ぐ“アラン・ドロン”声優で、TVアニメ「ベルサイユのばら」では野沢氏が入院した際にピンチヒッターとしてフェルゼン役を演じたことを思い出しますが、「パプリカ」ではドロン、フェルゼンといった美形とはずいぶん違ったキャラクタを演じています。他に、大塚明夫や山寺宏一、田中秀幸など、一流の声優を多用していますが、プロは声を聴くだけで安心しますね。「時をかける少女」も中村正の声で妙に落ち着くのです。■もちろん俳優でも素晴らしい声の演技をする人は数多くいます。江守徹の演技力と美声は余人を以っては代え難いし、蒼井優もプロの声優と聞きまがうほど秀逸な演技でした。しかし話題づくりのキャスティングに走り過ぎた失敗例も少なくありません。TV放映された百恵&友和が吹替えた「ある愛の詩」や、渡辺徹(ルーク!)・大場久美子(レイア!!)・松崎しげる(ソロ!!!)の「スター・ウォーズ」あたりから始まった傾向でしょうか。ジブリ作品だって、声に不満を持つ人は多いはずです。

— 関口芳雄


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