文句で惹かれる映画の世界

2015/05/25 — 第315号

時代を超えて名作を上映する当館には、毎回様々なポスターが掲出されます。■洗練されたデザインで作品の魅力を伝える宣伝ポスターは私たちの目を楽しませ、想像力を膨らませてくれるもの。たまに「全然違う!」という場合もありますが、それも映画体験のひとつでしょう。■今は少なくなりましたが、ほんの前までは街のそこかしこに上映作品のポスターが貼られていました。上京当時、新宿駅東口にパノラマの如く並んだ大型看板を見たときはさすが東京と思ったものです。■先日の健さん特集でも当館には公開当時の貴重なポスターが並びました。極彩色で描かれた任侠世界は強烈な存在感を放ち、ロビーを通るたび足を止めてしまうほど。そして独特の趣を感じさせるのが、口上宜しく作品を売り込んだキャッチコピー、所謂「惹句(じゃっく)」です。巧みな節回しと言葉のセンスで綴られた名句の数々はどれも声に出したくなるものばかり。僕が好きな惹句は

地獄みやげに 拝んでおけよ
雨のしずくか 血か汗か
濡れております 唐獅子牡丹

「昭和残侠伝」

居並ぶ兄さん お見知り置きを!
ぱっくり割れた 着物の下で 牡丹の花が 真赤に燃えた
二つ異名は 緋牡丹お竜 仁義も切りやす ドスも抜く

「緋牡丹博徒」

などなど…。皆様にも心に残る惹句があるのではないでしょうか。映画ではありませんが「止めてくれるなおっかさん〜」なんてのもありましたね。■当館ではこれからも映画はもちろん、掲示物でもお客様に楽しんで頂ければと思います。

— 武田俊輔


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