8月15日終戦の日、特別企画『社会派映画特集』

2003/08/01 — 第73号

8月15日は終戦の日です。数ある記念日、祝日の中で最も重大に扱わなければならない日ではないでしょうか。新文芸坐では、映画上映を通して過去を語り継いでいくことにより、現在を顧みるヒントになればと考えて、文芸坐時代の昭和54(1979)年から、8月は反戦映画や社会悪を描いた映画の特集にこだわって番組してきました。昨年は、有事法案が審議中でしたので、反戦映画特集を上映しました。◆昭和20(1945)年8月15日敗戦を知った人々は、戸惑いながらも「戦争はもうこりごりで、これからは明るい平和な社会にしたい」と思ったことでしょう。高い理想と理念に基づいて創られた平和憲法の下で、日本は今日の平和と繁栄を築いてきました。◆しかし、近年の情報技術の進歩によって、グローバル化が急速に進んだことにより、日本は国内ばかりでなく外国に対しても、政治力、経済競争力などの脆弱さを露呈し、経済不況を引き起こし、社会秩序の乱れ、人心の荒廃へと波及しているような感じがします。戦争放棄に対する考え方も、殺伐とした社会状況も、日本の進路はUターンして逆戻りしているような気がしてなりません。◆そんな杞憂から、今年の特集は、《社会派映画特集─スクリーンが告発する社会の歪み─》のタイトルで、山本薩夫、大島渚、今井正監督など日本を代表する名匠たちが撮った“社会派”映画を8月2日から3週間にわたり31作品を連続上映いたします。何れの作品もエンターテイメントとしても超一級品で、次世代に受け継がれて欲しい名画です。楽しみながら、スクリーンが告発する歪みを喝破し、“今”を考えるきっかけになればと思います。

— 永田稔


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