消耗しない、エラい映画

2003/08/16 — 第74号

7月の「ロード・オブ・ザ・リング」と「ロード…/二つの塔」2本立はとても多くのお客様にご来場いただき、興行的にも大成功でした。御礼申し上げます。■上映中、意外に思ったことがあります。ひとつは、新作の第2部だけを観る方よりも第1部から続けてご覧になるお客様が圧倒的に多かったこと。シリーズ物とはいえ2本で6時間を超える長尺。体力も要る。他館で〈1・2・2・2〉という変則2本立で上映している映画館がありましたが、当館では〈1・2・1・2〉と素直に上映して正解だったわけです。さらに、第2部よりも第1部の方が多くパンフレットが売れたということ、これも意外でした。第1部のパンフレットだけ買われたあるお客様になぜ1部だけなのか訊いてみると、第1部はDVDで第2部は映画館(ロードショー)で観たが、第1部をもう一度大スクリーンで観たくなった、というお答えでした。これはエラい。■下番館での番組作りでは、ビデオ・DVD化された作品は興行的にはマイナスと考えるのが普通です。ビデオで観たからわざわざ映画館では…、というワケです。ところが「ロード…」はDVDで観たあとに映画館で観たくなるという。そこがエラい。消耗して忘れ去られていく作品と、後世に残る作品、そこの違いです。■「ロード…/王の帰還」が新文芸坐で上映できるようになったら「3本立で観たいっ」ていう要望があるんだろうなぁ。9時間か…。どうする? 観る方も覚悟はあるのかっ!? あるならリクエストください。

— 関口芳雄


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