スタッフコラム

「転校生」を追いかけていた頃

2004/07/01 — 第95号

◆大林宣彦監督の「転校生」は私の学生時代に公開され、若者を中心に圧倒的な支持を得て大ヒット、学園祭シーズンともなると多くの大学で上映されたものです。私もこの映画にはまったクチで、ビデオも持っていなかった当時、学園祭をハシゴして「転校生」を観まくりました。大林監督の特集上映などで旧作やアマチュア時代の8ミリ、16ミリ作品を知り、その後も「廃市」「時をかける少女」と新作を観つづけることになるわけです。ハイ、大林ファンの一丁あがり。◆「転校生」の小林聡美を見ると思い出す人がいます。大学時代、私はオーケストラに在籍しており、1年先輩のチェロに、風貌も雰囲気(入れ替わった後の!)も小林聡美に良く似た人がいたのです。もちろん女性。陽気な女性で男女問わず周りから人気がありました。私とも仲良くしてくれて、就職してからもよく一緒に映画を観にいったものです。大学時代の思い出を語れば、その80%に登場するくらいに親しい、友達のような先輩でした。その後、それぞれ別の配偶者を持つこととなり、付き合いも疎遠になっていたのですが……。彼女の訃報が届いたのは昨年の夏のことでした。数年間の闘病生活の末だったと聞きます。◆2004年春の叙勲で大林宣彦監督が紫綬褒章を受章されました。これを記念して当館では特集「大林ワールド・ベストセレクション」を上映いたします。◆この機会に「転校生」を再見して故人を偲ぼうか。破顔一笑する姿しか思い出せない、そういう人でした。

— 関口芳雄 検索