スタッフコラム

夏なんです。

2004/07/16 — 第96号

夏です。刺すような日差しの中を歩いていると、“はっぴいえんど”の「風をあつめて」を口ずさんでしまいます。特に夏の歌という訳ではないけれど、防波堤、碇泊、青空、といったフレーズを細野晴臣風に囁けば涼しい風も吹いてくるのです。◆時代を超えた名曲らしく、「ロスト・イン・トランスレーション」でもスカーレット・ヨハンソンのお友達の日本人がカラオケで歌っていました……。が、しかし、これがロックスターのような“絶唱”。違うだろ、囁くんだろ、世界中が誤解するぞ、とハラハラしていたら、エンドロールで原曲が流れて一安心。ソフィア・コッポラも何かが違うと思ったのでしょう。◆夏です。暑い夏とエモーショナルな音楽は相性が良いのです。“夏フェス”という言葉も定着した日本各地の音楽フェスティバルや、「LIVE FOREVER」「炎のジプシー・ブラス」「エルヴィス・オン・ステージ」など音楽映画も続々公開されて、夏の音楽ファンは忙しいのです。◆当館でも7/24(土)に〈真夏の夜のクロスオーバー〉と題したオールナイトを催します。ミカ・カウリスマキ(アキさんのお兄さん)が大好きなブラジル音楽を活写する「モロ・ノ・ブラジル」、ヴェンダースが辿るキューバ音楽との感動的な旅「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」、ライブドキュメンタリーの名作「真夏の夜のジャズ」、そしてエミール・クストリッツァが“ごった煮”音楽集団を追う「SUPER 8」の4本立て。◆誰も指摘してくれないので書きますが、タイトルの“クロスオーバー”は異なるジャンルの競演、という意味の他にも、洒落た音楽をしっとりと聴かせてくれた往年のラジオ番組「クロスオーバーイレブン」にもひっかけております…。はい。◆夏です。池袋発、程よく力の抜けた、ささやかな“夏フェス”にお越しください。

— 花俟良王 検索