スタッフコラム

『ブロウアップ ヒデキ』、1975年の少女たちへ

2018/08/23 — 第354号

5月に西城秀樹さんが亡くなってすぐ、名画座として何かできないかという焦燥感の中、なんとか1日工面して『愛と誠』と『傷だらけの勲章』の2本を上映し、ファンの皆さんと追悼をさせていただきました。個人的には「歌手・西城秀樹」の若い魅力が詰まった『ブロウアップ ヒデキ』を上映したかったのですが、諸事情により実現できませんでした。しかしこの度、他作品と一緒に満を持して『ブロウアップ ヒデキ』を上映できることになったのです。■映画は「時」を記録します。1975年夏のコンサートツアー(と、オフの日)を記録した本作には、20歳のヒデキと、彼に熱狂する少女たちが記録されています。ヒデキのその後の歩みはテレビを通じて知っていますが、あの球場のグラウンドで祈るように彼を見つめていた少女たちのその後は、私は知ることができません。■あれから40余年、ずいぶん時が経ちました。大人になり生活を続ける、ということは楽しいだけではなかったと思います。それでもあの時、球場で、学校で、テレビの前で、ヒデキに熱狂していた気持ちはとても「純粋」だったことでしょう。■『ジャガー』の中で「俺が死んでも君は生きろ」とヒデキは言いました。日々の忙しさからしばらくヒデキを聴いていなかった人も、あの時の気持ちを思い出してみてはいかがでしょう。明日をより良く生きるヒントがあるかもしれません。■そして『ブロウアップヒデキ』9/24(月)20:50の回に限っては、発声・手拍子・ペンライト(←ヒデキが元祖ですものね)OKの「応援上映」となります。あの時に戻れます!

— 花俟良王


ショーシャンク事件に、感謝。

2018/07/31 — 第353号

早いもので、新文芸坐で勤務して今年で6年目になります。新文芸坐で働くきっかけを思い返してみると、当時私は芝居に打ち込んでいて、その芝居仲間に『ショーシャンクの空に』を観てない役者と一緒に芝居をしていたなんて信じられないと罵倒されたことでした。全く映画の知識がない私は、短絡的に名画座で働いてみたら映画の知識がつくかもしれない! と思い新文芸坐で働くことを決めました。ここで働いてからたくさんの映画に触れられ、勉強の日々です。■そうやって映画の知識量が増えれば、一本の映画を理解できる幅が格段に広がりますよね。今月上映される『レディ・プレイヤー1』がまさにそうでした。スピルバーグが撮った今作には往年の映画のキャラクターが登場し、その作品を思い起こさせます。「あ。これは、あの映画である!」と、一種のアハ体験。もちろん、そこに気付かなくても面白いのでしょうけど、分かるとご褒美のような、ちょっとしたお得感があります。6年前の私が観たところで、この興奮はなかったのだろうな…としみじみと感じました。■映画を観ることに慣れるにつれて、映画はいつだって私の感情の近いところで寄り添ってくれて、味方でいてくれるようになりました。私が都合の良いように捉えているだけなのかもしれませんが、観た作品の数だけ自分の中でエネルギーにしていくことができるようになりました。新文芸坐に足を運んでくださるお客様と、お話をするのも私のエネルギーの一つになります。これから先も、色々な作品に肯定され、生きていくヒントを与えてもらいたい。そんなきっかけを教えてくれた、新文芸坐で働けたことは幸せであり、私の人生の財産です。

— 松田恵里加


新文芸坐、全面禁煙化への動き

2018/06/29 — 第352号

東京都では6月27日に「受動喫煙防止条例」が成立しました。東京都の資料によると、この条例は「屋内での受動喫煙による健康影響を未然に防止し、誰もが快適に過ごせる街を実現するため、“人”に着目した都独自の新しいルールを構築していくこと」を目的とし、映画館を含む「多数の者が利用する施設」では、屋内禁煙とするか、喫煙専用室を設けることを義務付けています。

新文芸坐では、十年以上も前になりますが、ロビーに喫煙専用室を設置しました。しかし、入り口がロビー中央付近にあり、喫煙専用室の出入りの際、タバコの煙がロビーに漏れ出るという問題があります。

当館では、この問題を解決するため、喫煙専用室を移設することを検討しましたが、当館の構造上、移設はかなり難しいという結論になりました。

現状の受動喫煙への対応としましては、当館が入っている3階部分を全面的に屋内禁煙とすることを選択しようと考えています。遅くとも9月には、これを実施したいと考え、もろもろの調整作業を開始しています。

これにより喫煙をするお客様にはご不便をお掛けしてしまうことになる公算が非常に高いのですが、東京都の「受動喫煙防止法」の主旨を真摯に受け止めた対応策であることを、どうかご理解いただきたいと思います。

— 新文芸坐・支配人 矢田庸一郎


贅沢な日常

2018/05/28 — 第351号

新文芸坐ほど、あらゆるジャンルの名作を網羅し上映している映画館は他に無いと思います。新文芸坐で働いていると、滅多にスクリーンで観ることの出来ない貴重な映画が上映される機会が、いつものなんてことない日常としてやって来ます。■そんな贅沢な日常にすっかり慣れてしまった私は「この映画は滅多に観られない名作だ!出勤前に観なくては!」と思いながら、いざその日になったら寝坊して見逃してしまうなんてことがしょっちゅうで「私は名画を観て豊かな時間を過ごすより、二度寝する時間を選んでしまった、情けない…」なんて後悔する、贅沢でもったいない日々を送っています。■今月も上映スケジュールと自分のスケジュール帳とを見合わせて鑑賞予定を立てます。うーん…6月も魅力的な映画が目白押しで迷ってしまうな。久々にオールナイトを観てみようかな。エルマンノ・オルミ監督の作品は昨年新文芸坐で上映していたこともあって思い入れがあるんだな。ガメラは平成ガメラの思い出が強いけど、本家の昭和ガメラも気になる。グレタ・ガーウィグ特集はおしゃれで共感出来て楽しめそう。ここはあえての顔圧!ニコケイナイト2!にしようか…。なんて考えるのは楽しい時間です。(予定通りに行かないのがいつもの私なのだけど)■こうして選んだ映画が、心の奥底に触れ、人生の道筋を少し変えてしまうなんてことが、もしかしたらあるかもしれない。そんな可能性を多く秘めた、新文芸坐という空間にいられる時間を大切にしたいと思います。

— 中村悦子


新文芸坐友の会 入会・更新料の変更のお知らせ

2018/03/28 — 第349号

現在「友の会」会員のお客様には、特にお申し出のあった場合を除き、翌月のスケジュール表のダイレクトメール(DM)を郵送しております。しかし昨今のインターネットやスマートフォンの普及により、DM郵送を不要とする声を多くいただいております。

つきましては、2018年4月より「友の会」の入会・更新料を下記のように変更させていただき、DM送付の有無によって料金を分けさせていただくことになりました。

2018年4月1日より

新規入会(旧料金2000円)

ダイレクトメールが「必要」な方 → 2200円
ダイレクトメールが「不要」な方 → 1800

更新(旧料金1000円)

ダイレクトメールが「必要」な方 → 1200円
ダイレクトメールが「不要」な方 →  800円

また、現在ダイレクトメールに付帯されている「ファミリー券」は、来年2019年3月31日をもちまして終了とさせていただきます。別の形でのサービスを検討中です。併せてご了承いただきますよう、お願い申し上げます。

— スタッフ


東京アニメアワードフェスティバル2018

2018/02/26 — 第348号

弥生三月、今年も東京アニメアワードフェスティバル(TAAF)の季節がやって来ました。TAAFは昨年からここ池袋に引っ越し、TAAF2018で通算5回目の開催となります。池袋の映画館5館を始めとし、区民ひろばやサンシャインシティ噴水広場等のご協力も得て、昨年以上の盛り上がりをみなさんにお届けします。■新文芸坐では、短編・長篇のコンペティション作品を中心に上映会を催します。分かり易く楽しい作品から、ちょっと考えさせる作品…日本でもよくニュースに登場するようになった、老人問題を取り上げたもの…等、バラエティに富んでいます。■3DCGの表現の進歩は目覚ましいものがありますが、今年は人形のストップモーション作品が頑張っています。是非当劇場に足を運んで、世界のアニメーションの「今」を見て頂きたいと思います。■それぞれの作品の上映時には、短いですが制作者の挨拶があります。また、同じ作品ですが、コンペティションの選考委員の解説付きプログラムも用意してあります。海外からもたくさんのクリエーターが来日するので、是非彼らとの交流も試みて下さい。■楽しい映画祭にして頂けるよう、新文芸坐友の会の方々には当日券の特別割引も実施します。劇場でお会いしましょう。

— 東京アニメアワードフェスティバル2018 フェスティバルディレクター 竹内孝次


新文芸坐ベストテン2017 投票開始!

2018/01/28 — 第347号

今年も恒例「新文芸坐ベストテン(文テン)」の季節がやってまいりました。

世の中にはいろいろな映画ベストテンがあり、著名人や映画評論家が選ぶものや、映画業界人が選ぶもの、特定の会員が選ぶものなど、選者は様々です。文テンは当館のお客様が選ぶベストテンです。映画ファンのベストテンといってもいいかもしれません。

ロビーに投票用紙がございますので、昨年(2017年)に新作映画として公開された映画の中から、日本映画と外国映画をそれぞれ最大10作品選んでご投票ください。お一人一票、どなたでも投票可能です。また新文芸坐友の会会員の方は、インターネットからでも投票いただけます。新文芸坐オフィシャルサイトからご投票ください。投票(ネット投票も含む)していただいた友の会会員の中から抽選で3名様にご招待券をプレゼントいたします。

後日集計してベストテンを発表し、当館の番組編成の参考とさせていただきます。どうぞ奮ってご投票ください。

★投票受付期間:2018年 2/1 〜 2/28

— スタッフ


明けましておめでとうございます

2018/01/01 — 第346号

日頃より、新文芸坐をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。

2017年は、16年使用した場内の椅子を新しくしました。以前は暗い色の椅子でしたが、新しい椅子は背もたれを赤にし、以前より多少、場内が華やいだ感じになりました。皆さん、座り心地はいかがでしょうか。

17年も経ちますと、さすがにいろいろな所で不具合が発生してきております。2018年も少しずつではありますが修繕をしていき、皆様により良い環境で映画を楽しんでいただこうと考えています。

先日、あるお客様より、新文芸坐は古い日本映画の日替り上映ばっかりだから、新しい映画は他の名画座で観る、というお話をお伺いしました。実は新文芸坐、本数では他の名画座に負けない数の新作映画を上映しています。でもアピールが足りないせいか、新文芸坐は古い映画ばっかり、という印象を持たれているのかもしれません。

そこで2018年からは、毎月の新作映画の上映をお知らせするチラシを作ることにしました。まだここでは言えませんが、2月も、話題の大作映画、ヨーロッパ発の新しい感性が全開となった話題のアクション映画など注目の新作がラインアップされています。

2018年も新文芸坐は、「映画が大好き」を合言葉に、映画ファンの皆様と一緒に古今東西、様々な映画を楽しんでいきたいと思います。

皆様のご来場を心よりお待ちいたします。

新文芸坐

矢田庸一郎 関口芳雄
梅原浩二 花俟良王 後藤佑輔
柳原弘 小澤麻梨子 山下萌 松田恵里加 青山貴昭 濵本栄紀
中村悦子 泉未来 星野依子 芳仲康輔 西川由里子 多田優香 松下海友

— スタッフ一同


冬の友の会キャンペーン

2017/11/29 — 第345号

日頃のご愛顧に感謝して、新文芸坐友の会キャンペーンを開催いたします。
観れば観るほどお得な「友の会」をぜひご利用ください!

①新規ご入会金がお得!
通常2000円 ⇒ 1700円!
②期間限定、溜まったポイントをオリジナルグッズと交換可能!
トートバッグ 3ポイント
フェイスタオル 4ポイント

開催期間:2017年12/13(水)〜16(土)『ハクソー・リッジ』『ハイドリヒを撃て!〜』、2017年12/17(日)〜28(木)特集上映<シネマ・カーテンコール2017>

※「友の会」は1年間有効の会員システムで、入場料金割引やポイント入場、スケジュール送付などの特典がございます。新規ご入会の方はその場でご招待券も差し上げます。詳細は「友の会」のご案内を用意しておりますのでそちらをご覧ください。
※ご不明な点はお気軽にスタッフまでお尋ねください。

— スタッフ


フィルムとデジタル

2017/10/31 — 第344号

フィルムで撮影した写真をデジタル化して楽しむ「フィルデジ」というのが流行っているそうです。デジタル化自体は以前からあったのですが新たなネーミングを得てフィルムの魅力が再確認され、始める人が増えているとのことです。●フィルムで撮影された映画をDVDやブルーレイで観る、これもフィルデジの一種だと思いますが、そのことに対して映画の場合あまり自覚的ではないように思います。つまりフィルムをデジタルに変換したことの良し悪しや価値観はあまり問われていないように思うのです(安易な「デジタルリマスター」という「言葉」の問題はありますが)。映像は映画の構成要素のひとつであり、映画を観るということは物語の理解を優先する場合が多いのも理由のひとつだと思いますが、それとは別に多くの人がどこかでDVD等は本来のものではなく「代用品」として割り切っているということもあるのかもしれません。●フィルムで撮影されてフィルムで公開された映画はフィルムでの上映で見る。これが正しい行為だと基本的には思うのですが、言うまでもなく近年急速に進んだ映画のデジタル化(撮影、加工、上映、修復等)によって、そうシンプルには考えられなくなりました。古い映画を新しくするにしても、劣化したネガの修復には従来のフィルムベースの作業だけでは限界があり、デジタル化しての作業が必須となります。それをまたフィルムに戻した画は純粋にフィルムの画といえるのだろうか…等々事態は様々で複雑です。当館でもデジタルで撮影されたものをフィルム上映したりその逆もありますが、この話は長くなるのでまたの機会に。

— 梅原浩二


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