スタッフコラム:2012年

お知らせ

2012/12/16 — 第269号

■シニア(60歳以上)のお客様へのスケジュール表郵送サービス

本来、「新文芸坐友の会」のサービスとして月に一度郵送している『しねまんすんりい』をシニアのお客様限定で実費600円(切手代50円×12ヶ月)のみで郵送させていただきます。ご希望の方は受付にてお申し付けください。

只今、新聞へのスケジュール掲載の終了を検討しております。ぜひこの機会にお申し込みください。

■お食事メニューの予約販売

大変ご好評をいただいておりますインド・ネパール料理専門店「サグーン」と当館のオリジナルお食事メニュー。サグーン・ロール(380円)、カレーパン(300円)、チャーハン(400円)はご予約も承ります。

当日17時まで(カレーパンのみ前日まで)にお電話でご注文ください。また「次の休憩で食べたい!」といったご要望にも可能な限り対応させていただきますのでお気軽にお申し付けください。
品切れが多い夜のお客様、ぜひ予約販売をご利用ください。

— スタッフ


声優・島本須美生誕祭

2012/12/01 — 第268号

12/8(土)の特別オールナイトは、声優・島本須美生誕祭です。島本須美さんとサンキュータツオさんによるトークショーに続き、「ルパン三世 カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」「めぞん一刻 完結篇」の豪華三本立て! いずれも島本さんがクラリス、ナウシカ、音無響子と、ヒロインの声をあてている作品ですが、とくに「ナウシカ」と「めぞん一刻」の2本は、久々のスクリーン登場です。この機会を逃がすと、フィルム上映でナウシカに会えるのはいつのことになるかわかりませんよ! チケットは3000円均一で、当館窓口とチケットぴあにて販売中。お早めにどうぞ。

写真左:原作:モンキー・パンチ ©TMS 写真右:©1984 二馬力・GH

— スタッフ


11/29より、豪腕ノーランvsお茶目なバートン特集

2012/11/16 — 第267号

ノーランさんから。●【バットマン ビギンズ】アメコミの世界に悪とは何か、正義とは何か、という深遠なテーマを持ち込んだ傑作シリーズの第1作だ。「ダークナイト」から見始めた人は、「ビギンズ」から今一度コンプリートして魂をうち振るわせてほしい!●【インセプション】大企業の息子の意識に潜り込んでその企業を潰す話と、主人公の死んだ妻との記憶のエピソードが絡み合い、ほとんど説明不可能。圧倒的な映像の力でぐいぐい引っ張り、最後には、現実とは、愛とは、と、見る者の胸を掻き乱す。傑作である!●【ダークナイト&〜ライジング】08年とは「ダークナイト」が公開された年であると映画ファンの魂に刻印した偉大なる映画。街を制圧する黒い意志の、その驚異のスピード感と力技に恍惚となる。見終わった後の疲労感が快感だった。合掌ヒース・レジャー。■さて次は深遠さとは程遠いバートンさん。●【マーズ・アタック!】火星人襲来モノだが造形がいかにもでカワイイ、最高にお馬鹿な映画。火星人が、友好使節と勘違いした人間達を光線銃でバンバン撃ち殺すところで、何故か微笑んでしまうのが不思議。同じことをノーランがやったらイヤ〜な世界になります。●【コープスブライド】目玉が落ちてウジが湧いている、そう、あなたはゾンビの花嫁。アニメとはいえ、このグロさがバートンの手にかかるとカワイイ。相棒ジョニデが声の出演。●【チャーリーとチョコレート工場】最近政界では暴走気味の方がいるみたいですが、この映画でバートンは暴走します。子供たちが謎のチョコレート工場に招待されて……という話だが、極彩色の映像世界とブラックなユーモア、白塗りオカッパ頭の経営者(ジョニデ)、キモチ悪いウンパルンパたちの不思議な歌と踊りなどなどに、拒否反応を起こす人も多いようだが、私は大好き!●【ダーク・シャドウ】テイストは愛と復讐のヴァンパイア(←ここでも白塗りジョニデ)ものなのに、バートンが仕上げるとコメディになってしまいます。「スウィーニー・トッド」的な惨劇にするかキモカワイイ路線にするかバートンも逡巡したのかも。でも、そこがいいんですよ!

— 矢田庸一郎


トリュフォーの手紙、トリュフォーの映画

2012/11/01 — 第266号

フランソワ・トリュフォーは、もしかしたら、e-mailやツィッターの時代を先取りしていたのかもしれない。ふと考えたこと、急な用件、忘れていたこと、約束の確認、こんな本を読んだとか、こんな映画を見たとか、思いつくままに日記を書くような調子で手紙を書きつづけました。メモのように短いもの、自分の考えをじっくり述べた長文のもの。ときには深刻な恋の悩みも。もちろん、今日のような電子機器ではなく、紙とインクとペンで。手書きの文字で。「紙はあなたの肌、インクはわたしの血」と『突然炎のごとく』や『恋のエチュード』の恋するヒロインは思いあまって書きます。『恋のエチュード』など映画そのものが日記と手紙の形式になっていると言ってもいいくらいです。『夜霧の恋人たち』では、いまはなき(パリでは1984年に廃止になった)気送速達便という地下の圧縮空気管を使って手紙を送る方式を、ヒッチコックの『ダイヤルMを廻せ!』の冒頭のタイトルバックで電話のダイヤルの動きをアップでとらえたような迫力で、ていねいにおもしろく描いてみせます。トリュフォーの映画は、芸術的なテーマや社会的な事件よりも、誰もがかかえている私的な問題や悩みを、体験的に、まるで日記を書くように画面に綴り、同じ親密さでスクリーンから私たちに語りかけてきます。まるで映画という名の手紙のようです。女性への、子供への、書物への、そして映画そのものへの、夢やあこがれや情熱を綴った愛の手紙―。

— 山田宏一(映画評論家)


オリンピック後に観る「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」

2012/10/16 — 第265号

ロンドン・オリンピックの頃、8月上旬号のこの欄にイギリス映画について書きましたが、半分以上を「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」に費やしてしまいました。その時点では新文芸坐での上映予定はなかったのですが、11/2(金)・3(土)の2日間の上映が決定しましたので是非ご覧ください。◆先頃のオリンピック以降、日本を取り巻く環境がきな臭くなってきました。男子サッカーの日韓戦は特殊な事例としても、一般的にオリンピックやワールドカップ、WBCなどを観戦していると普段は意識していなかった自分の中のナショナリズムを感じる人は多いのではないでしょうか? 私は“ナショナリズム”“愛国心”という言葉に、なにか後ろめたいものを感じる世代の人間です。そう感じるような教育を受けたからかもしれません。しかしナショナリズムなしに観戦するオリンピックに、何の面白みがありましょうか? いや、一部には国に関係なく、純粋にスポーツとして競技を鑑賞している人もいるでしょう。しかし自国と他国の選手が競っていれば自国人を応援してしまうのが人情というもの。あぁなんと甘美で罪深いナショナリズムよ。◆「フォークランド諸島はイギリスの領土だ」というサッチャーの台詞に、私の心は穏やかではいられません。対岸の火事とは思えない台詞だからです。イギリス・アルゼンチン両国の兵士の命が失われました。また彼女は、国民に痛みを伴う政策を採ってきた一方で、間違いなく英国の財政を再建しました。さて、今の日本がサッチャーのような人物を首相に戴くことになったら国民はどのような反応をするのでしょうか? 有権者の皆さん、“近いうち”の準備はよろしいでしょうか?

— 関口芳雄


10/28より「スクリーンで見ておきたい珠玉の名編vol. 14」

2012/10/01 — 第264号

今回の「珠玉の名編」は3番組6作品。では早速上映作品のご紹介を。●『おとなのけんか』子ども同士の喧嘩の和解に集まった2組の夫婦。話し合いはやがて夫婦対夫婦の喧嘩へ。さらに夫婦同士、夫同士、妻同士の大乱戦に発展……。名匠ポランスキーの大人のためのコメディ。●『アーティスト』アカデミー賞作品賞、監督賞受賞など今年一番の話題作。サイレントからトーキーへと移行するハリウッドを舞台に、時代の変化に乗れず落ち目となる映画スターを主人公にした感動ラブストーリー。俳優犬アギーはカンヌ映画祭パルムドッグ賞受賞!●『幸せへのキセキ』最愛の人を失った悲しみの渦中、閉鎖した動物園付きの家を買った家族。彼らが再び生きる喜びを取り戻していくまでを、『あの頃ペニー・レインと』のキャメロン・クロウが抑えたタッチでじんわり描く感動作。●『ファミリー・ツリー』ハワイに住む白人家族のお父さん。家族の危機に直面し、あっちに行ったりこっちに行ったりと、おろおろ動き回るが……。“人生は苦難に満ちている”と思わずにいられない、ちょっぴりほろ苦いコメディ。●『マーガレット・サッチャー』’79年、女性として初めて首相に就任し、英国を立て直したマーガレット・サッチャー。“鉄の女”と異名を取る強気な面の一方で、晩年の孤独な姿も丹念に描かれる。彼女を支えた最愛の夫との、若かりし頃のロマンスのエピソードが微笑ましい。●『ヘルプ』まだ人種差別が横行していた’60年代のアメリカの田舎町。白人家庭でメイドとして働く黒人女性とジャーナリスト志望の白人女性の友情を描く。当時の生活のディテールを丹念に描きつつ、社会を変えようと立ち上がる女性たちの姿がたっぷりの感動で迫りくる。アカデミー賞助演女優賞オクタヴィア・スペンサーの熱演に注目だ。●今回はハートフルな傾向の作品を集めて編成しました。映画ファンの方なら、きっと楽しんでいただけると思います。乞うご期待。

— 矢田庸一郎


映画スター高倉健の履歴書

2012/09/16 — 第263号

映画俳優・高倉健の6年振りの主演作品『あなたへ』が公開されている。映画『あなたへ』での健さんは、先立った妻が遺した手紙によって、富山から長崎平戸に旅を続ける夫役を演じている。スクリーンの中の健さんは、圧倒的な存在感で飽くまでカッコ良く撮られているが、野菜を刻み、イカを洗い、ハンドルを握る手の甲に無数のシミが映される。■健さんファンにとっては、イメージを損なうシーンではないかと思った。しかし、健さんが主演した『網走番外地』『八甲田山』『南極物語』では、極寒の地で雪にまみれ、吹雪にさらされ、『単騎、千里を走る。』では中国の砂漠の辺境の地で灼熱の太陽に焼かれ、砂嵐にさらされている。健さん自ら選んだ?過酷な条件のロケーションが手の甲のシミに現れている。手のシミは、健さんの履歴を物語る誇り高き勲章に値する。■下町に住んでいると、手の五本指が親指と同じ太さの職人、グローブのように大きく分厚い手の職人を見かける。米、英国では、手先の技術が下手で不器用なことを「All Thumb=オール親指」という隠語があるが、我国の職人の武骨な手は、歴史が刻み込まれ染みこんだ勲章である。『男の顔は履歴書』(66年、加藤泰監督)という映画があったが、職人、健さんにとっては、「男の手は履歴書」である。■健さんが雑誌のインタビューに答えて、「じじいなんだけど、自分にはそんな自覚はありません。声がかかる限り仕事はします。長く生きているものとして、経験も感謝も恨みも、伝えていきます。」と言う。寡黙で知られる健さんが、『あなたへ』の宣伝のために、不似合いなTVに出演したことは、今後の布石だったのである。日本映画最後のスター高倉健の前向きな姿勢を敬愛し、次回作にも期待しよう。

— 永田稔


圓朝まつり〜新文芸坐落語会3周年!!

2012/09/01 — 第262号

■先日、谷中で行われた落語協会主催の「圓朝まつり」に行って来ました。お目当ては何と言っても柳亭市馬さんの歌謡ショーですが、その他にも芸人さんたちによる様々な屋台が出ていたりとお楽しみがいっぱい。会場内は落語ファンで大変な賑わいでした。そしてそのあとは続けて、池袋演芸場8月上席・昼の部(主任・柳家小三治)を4時間立見で聴くという落語漬けな夏の休日を過ごしてみました。■さて、そして新文芸坐落語会もこの9月で三周年を迎えます。そこでこれからの番組を一挙にご紹介!! まず9月13(木)は「上方のマシンガン落語 桂雀々VS東の爆笑派若手 文左衛門・百栄・風車」と題しまして、上方落語の雄、桂雀々を東京で注目の若手、橘家文左衛門・春風亭百栄・鈴々舎風車が迎え撃ちます。10月16(火)は「柳家一門の爆笑派」と題しまして、五代目柳家小さん門下、落語界最大の一門である柳家の中でも特に柳家権太楼、柳家喜多八、柳家甚語楼、柳家さん弥と柳家きっての爆笑王が勢揃い!! そして11月13(火)は「アンコール!!番外編 演芸アラカルト 必見!お笑いパフォーマンス」と題しまして、ひとりコントのモロ師岡、語りの山田雅人、コント&シンガーソングライターのオオタスセリ、時事漫談のパントマイマー・松元ヒロ、歌うスタンダップ・コミック・寒空はだかといずれも芸暦30年のベテランばかり。テレビなどではお目にかかれない生の舞台の魅力を体感していただけます!■ざっとご紹介した通り、新文芸坐落語会はこれからも毎月一回、飛びきりな笑いを提供していきます。千客万来!! 皆様のお越しをお待ちしています〜。

— 佐野久仁子


シニアのお客様にスケジュール表を実費で郵送します

2012/08/16 — 第261号

当館には「新文芸坐友の会」という割引制度があることは皆様ご存知でしょう。映画を数多く観る方には大変お得です。詳細はこのスケジュール表のオールナイト欄の下をご覧下さい。■一般のお客様にとっては、年に4回以上のご来場で入会金の元が取れてしまうという「新文芸坐友の会」はとてもお得です。しかし友の会料金と入場料金が同じシニア(60歳以上)のお客様にしてみるとそれほど恩恵がないと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。シニアのお客様が入会金の元を取るには、年に12回のご来場が必要となります。シニアでも常連のお客様にとっては入会した方がお得なのですが、それほど頻繁にはご来場されない方もいらっしゃるでしょう。そこで当館では、友の会への入会はせず、スケジュール表のDMだけ郵送して欲しいという要望にお応えすることにいたしました。

  • 12ヶ月間、友の会会報しねまんすりいを郵送いたします。
  • 実費(切手代50円×12ヶ月=600円)を頂戴いたします。
  • 60歳以上の方のみとさせていただきます。

ご希望の方はスタッフに声をおかけ下さい。

— スタッフ


イギリス映画、サッチャーの影

2012/08/01 — 第260号

皆さんがこの拙文を読んでいる頃には、もうロンドン五輪が開催されているかと思います。盛り上がってますか? ということで今回もまたイギリス映画について。■最近の英国映画は元気です。昨年公開の「ゴーストライター」や「英国王のスピーチ」は当館で上映したときも大変好評で、やはり新文芸坐のお客様にはオトナの映画が人気があるなぁと独りごちたものでした。今年公開の映画では、サスペンスの傑作「裏切りのサーカス」が★★★★。やんちゃだったあのゲイリー・オールドマンが“静”の演技でアカデミー主演男優賞にノミネートだなんて、隔世の感があります。ゲイリー・ファンとしては嬉しくもあり、また寂しくも。■今年の春には「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」なんてのもありました。この映画が曲者です。サッチャリズムなんて歴史といえるほど古くはなく、まだ湯気の立っている史実です。英国首相在任中、経済危機に際して大ナタを振るい財政を立て直したことは、功罪の“功”といえるでしょう。ユーロ危機の今、仏・独が大国として苦悩する姿を“対岸の火事”的に見ていられるのも、英国をユーロ圏に入れなかったサッチャーの手柄かもしれません。フォークランド紛争、英国人にとってはこれも“功”か。しかしひと昔前の英国映画を見る限り、サッチャーには多くの庶民の暮らしに打撃を与えたという“罪”の印象しかありません。■ちょっと古くなりますが、映画「ブラス!」には職と家族を失い自殺してしまうトロンボーン奏者が出てきました。手元のパンフを見ると、自殺の遠因はサッチャー在任中の1984年のストライキによる借金という設定です。他に「リトル・ダンサー」「フル・モンティ」「トレイン・スポッティング」などでの労働者たちの姿を思い出し、スクリーンに映る名女優メリル・ストリープが憎たらしく思えてきます。野田首相の大ナタも日本を救うことにはなるのでしょう、恐らく。しかしトロンボーン奏者の悲劇だけは見たくはないです。

— 関口芳雄


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