クロノス・カイロス

© 2024 The Last Stop in Yuma County LLC.
- 公開年
- 2025・フィンランド
- 上映時間
- 70分
- 監督
- ヘッラ・ウルッポ
- 製作
- ミカ・ラッティ、ヘッラ・ウルッポ、トニ・ヤルビネン、ヤリ・サラスブオ、マリスカ、ブー・マルムベリ、ヤリ・ラハテイネン
- 脚本
- ミカ・ラッティ、ヘッラ・ウルッポ
- 撮影
- ヘッラ・ウルッポ
- 出演
- トニ〝プロトニ〟ヤルヴィネン、ミラ・ルオティ、カリ・レイニ、ミカ・ラッティ
■イントロダクション
フィンランドの小さな町カルッキラに、「キノ・ライカ」という映画館がある。映画監督アキ・カウリスマキと、作家ミカ・ラッティが共同で営む、映画好きの集う場所だ。
そのミカ・ラッティが、今度は自ら映画の作り手として、一本の作品を世に送り出した。製作と共同脚本を務めた『クロノス・カイロス』である。
監督は、フィンランドを代表するロックミュージシャン、ヘッラ・ウルッポ。数十本のミュージックビデオで培った映像感覚を携え、本作で長編デビューを果たした。
物語の始まりは、ひとつの別れ。恋人を失った男は、鳴りやまない耳鳴りに悩まされ、壊れた人生の均衡を取り戻すために旅に出る。道連れは、甲殻類アレルギーの殺し屋。モノクロームの荒野をさまよう二人は、やがて現実とも幻想ともつかない領域へと足を踏み入れていく。
監督自身の体験から生まれた、離婚と喪失、孤独、そして再生の物語。黒白の映像美とブラックユーモアが交錯する、北欧発のシュールレアリズム傑作である。
■ストーリー
誕生日の祝いの席。黒い風船に囲まれたテーブルで、女(ミラ・ルオティ)は男(トニ・プロトニ・ヤルヴィネン)に告げる――「新しい男ができた」。そっと頬を撫でて去っていく彼女には、すでに新しい恋人がいた。ポールダンスを踊り、球体を宙に操る女。残された男の耳の奥では、その日から鳴りやまない音が響き始める。
嫉妬と喪失に呑み込まれた男は、女のダンスポールを切断してしまう。壊れた均衡を取り戻す方法はただひとつ、新しいポールを打ち立てること。 荒野で男が出会うのは、甲殻類アレルギーの殺し屋。奇妙な相棒となった二人は、モノクロームの山岳地帯 をさまよいながら、不可解な出来事の連鎖へと足を踏み入れていく。
■監督プロフィール
ヘッラ・ウルッポ
Herra Ylppö ― 監督・脚本・撮影・編集

1973年、フィンランド・ハルヤヴァルタ生まれ。ロックバンド「マイ・カルマ(Maj Karma)」のフロントマンとして1990年代半ばから活躍し、ソロプロジェクト「ヘッラ・ウルッポ&イヒミセット」では全国チャート1位のアルバムを送り出した、フィンランドを代表するミュージシャン。詩人、写真家、作家としても活動するマルチアーティストである。
これまで数十本のミュージックビデオで監督・脚本・撮影・編集を一手に担い、独自の映像表現を築いてきた。敬愛するアキ・カウリスマキ監督の『カラマリ・ユニオン』――登場人物のほぼ全員が「フランク」と名乗る作品――に触発され、自らのファーストネームに「フランク」を正式に加えたという逸話を持つ。
本作『クロノス・カイロス』が長編映画監督デビュー作となる。
■プロデューサー プロフィール
ミカ・ラッティ
Mika Lätti ― プロデューサー・共同脚本・出演

1969年生まれ。詩集、回想録、小説など6冊の著作を持つフィンランドの作家・映画人。フィンランド・カルッキラの映画館「キノ・ライカ」を、映画監督アキ・カウリスマキと共同で運営している。キノ・ライカは映画館、コンサートホール、バーを併設した文化施設として親しまれ、「世界一犬にやさしい映画館」としても知られる。本作では共同脚本とプロデュースを務め、自ら出演も果たしている。
俳優としても、本作のほか『遥かな惑星』(2023年、ユホ・クオスマネン監督)、ドキュメンタリー『シネマ・ライカ』(2023年)などに出演。カウリスマキ監督の『希望のかなた』にも顔を見せている。今回の日本公開に際し、生涯初の来日を果たす予定である。